こんにちは。
大津市の親子3代で楽しめる古矢ピアノ教室講師、古矢純子です。
Facebookでのお友達のバイオガイアジャパン株式会社のCEO 野村 慶太郎さんが、
先日、Faceookで投稿されていた記事が素晴らしいので、
ご紹介したいと思います。
バイオガイアジャパン株式会社は、医療関係の会社です。
世の中では画家も彫刻家も陶芸家も音楽家も一律「アーティスト」と呼んだりしますが、
私は音楽だけは他のアートとは異なると思っています。
なぜなら音楽だけが、理解にも伝達にも言葉は要らないから。
今年も市立船橋高校吹奏楽部さんの演奏会にメッセージを贈らせて頂く光栄な機会を頂きました。
生徒さんへのメッセージですが、全ての音楽家の皆様にエールを送る気持ちで書きました。
お時間があれば是非ご一読ください。
そしてこれからも、どんな時も、決して音楽をやめないで下さい。
戦争の世紀を生きる君たちへ
〜坪井直さんの思い出とともに〜
あなたは、浮気された相手をゆるすことができますか?
戦争の世紀です。
ウクライナとロシア。パレスチナとイスラエル。
現在世界には110の戦争や武力紛争が進行中です。
「やられたらやり返す」「目には目を」「攻撃されないためには核武装しなくてはならない」。
戦争は戦う双方に怨嗟を生み、復讐の連鎖が延々と続きます。
その連鎖はエスカレートし、放っておくとやがて最大の不幸を生む核兵器使用へとつながっていきます。
そんな戦争をなくす方法はあるのでしょうか?
本当に核兵器廃絶などできるのでしょうか?それは絵空事ではないでしょうか?
私の故郷・広島は被爆都市です。核兵器は広島の人には身近なものです。
私の親族も犠牲になりました。その広島の平和記念資料館の入口に1枚の写真があります。
全身ガラスが刺ささり焼けただれて横たわる少年。その少年は生き残りました。
彼はノーベル平和賞を受賞した日本被団協の創設者、坪井直(つぼいすなお)さんといいます。
長年日本被団協の代表を務めた方です。
「戦争をなくし核兵器を廃絶するなんてことが本当にできるのですか?」
ある日一緒に焼き鳥を食べながら、私は彼に尋ねました。
「それはものすごく難しいことだけど、本当はカンタンなことなんよ」
彼は言いました。
「難しいけど簡単なことですか。それはなんですか?」
「それは、赦す(ゆるす)ことなんよ」
大人が赦すことを覚えれば、子どもたちの未来は平和になる。
戦争を終わらせるにはそれしかない。
原爆で眼の前で愛する家族全員を殺された彼は、そう言ってニッコリと笑いました。
戦争で復讐して当然のことをされても赦す。
こちらには全く非がなくて、相手が100%悪くても、赦す。
それは耐え難きことでしょう。それは忍び難きことでしょう。
それでも赦す。それは想像を絶する勇気が必要で、そして悔しくて辛いことです。
恋人や伴侶に浮気されただけでもゆるせないのに、そんな事が本当にできるのでしょうか?
「銃声の代わりに、音楽を聴けばいい。
世界中から広島の平和公園に集まって、みんなで音楽を聴けばいい」
坪井さんはそう言いました。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでいる人の心を癒し、勇気づけ、
赦して再び立ち上がる力をくれる、ただ一つのもの。
それは音楽だと彼は言うのです。
音楽だけは瞬時に言語を超え、宗教もイデオロギーも超え、
一瞬で冷たく氷のように凍った人の心を溶かして、心を揺さぶります。
溶けた氷は涙となって流れていきます。
どんな動物も作れない核兵器を生んだ人類は、同時に音楽を生んだのです。
人類は、滅びの技術だけでなく、救いの技術もちゃんと生んでいるのです。
皆さんには、その音楽を人に届ける力があります。
皆さんこそが千の言葉を超えて、人の心を癒やし、赦す力を与えることができるのです。
そしてその才能は、高校卒業後も、
たった一人でも、世界の何処かで人々に赦す勇気を与え続けるでしょう。
平和公園に原爆を落としたアメリカのオバマ大統領が来ました。
坪井さんは恨み言一つこぼすことなく、彼と握手しながらこう言ったのだそうです。
「よう来たね。あんたは偉いよ。
人類は間違った。でも、ここからやり直そう。未来に行こうや」
原爆症で亡くなった彼も、今日ここに来てくれていると思います。
いつものようにニッコリ笑って、皆さんの演奏を楽しんでいることでしょう。
バイオガイアジャパン株式会社
CEO 野村 慶太郎