誰もが、一度は弾きたい憧れのピアノ曲と言えば、『エリーゼのために』ですね。
冒頭部分の「ミレ♯ミレ♯ミシレドラ」は、どなたも耳にされたことがおありでしょう。
ピアノ発表会でも、人気の曲です。
『エリーゼのために』は、ドイツの作曲家ベートーヴェン(1770~1827)が、1810年、39歳の時に作曲しました。
この「エリーゼ(Elise)」は、女性の名前ですが、もともとは「テレーゼ(Therese)」だったという説があります。
ベートーヴェンが悪筆であったため、「エリーゼ」と間違って読まれたらしいのです。
では、この「テレーゼ」さんて、どんな女性だったのでしょう。
ベートーヴェンには、テレーゼ・マルファッティというピアノの教え子がいました。ベートーヴェンは、18歳のテレーゼに恋をしました。そして、この『エリーゼのために』を作曲し、プレゼントしたのです。しかし、恋は実りませんでした。
もともとは、『テレーゼのために』だったというわけですね。
ところが、最近、新たな説がでてきました。
『エレーゼのために』は、エリザベート・レッケルという歌手に捧げられたものではないかというのです。
しかし、今となっては、ベートーヴェン直筆の楽譜は失われていて、確認することは難しいです。
どちらにしても、生涯独身を貫いたベートーヴェンでしたが、親しくしていた女性は少なくなかったようですね。
ベートーヴェンの憧れの女性への想いがこめられた『エリーゼのために』。
作曲された背景やエピソードを知ると、また、より興味をもって聴いたり弾いたり楽しむことができますね。