レオ=レオニの作品 『フレデリック』
世界的アーティストであるオランダ生まれのレオ=レオニ(1910年~1999年)は、子どものための作品をたくさん残しました。有名なものでは、『スイミー』『あおくんときいろちゃん』などがありますが、私が大好きなのは、『フレデリック』です。
かわいいノネズミのお話です。詩人フレデリックは、みなが一生懸命働いている間、目に見える働きは何もしていませんでした。仲間から、どうして働かないのかと言われていました。
けれど、冬になり、凍えるような寒さの中、みなが食べるものにも困るようになった時、それまで見えなかった力を発揮し、みなに生きる希望と勇気を与えるのです。
芸術や文化は、日頃は無くても過ごせるかもしれません。音楽も同様です。昨今は、芸術や文化に、行政も予算をつけない傾向にあるようです。あたかも、それが無駄であるかのように。
音楽と共に生きてきました。
幼い頃からピアノを習い、コンサートを聴いたり舞台芸術を観たりしてきました。大人になってピアノを教えるようになり、新たにオルガンに出会い、ずっと音楽に親しんでまいりました。
音楽と共に生きてきたと言っても過言ではありません。
音楽で心動かされること。音楽で癒されること。音楽で勇気をもらうこと。音楽で知らない世界に連れていってもらうこと。音楽で美しい世界に入ること。
これらのことが大好きだから、音楽をしています。
大切なものは、目に見えません。
「忙しいとばかり言い続けていると、人の心は貧相になる。明日のことにかまけて、いつか用立つもの、実は目にみえないところで用立っているものが見えなくなる。」 9月3日 朝日新聞 『折々のことば』
大切なものは、目に見えません。私は、目に見えない音楽の力を信じています。
「芸術の秋」。音楽について考えてみました。